平成17年 4月20日
平成17年 4月19日、衆議院本会議において衆議院議員田中和徳は自由民主党および公明党を代表し、証券取引法の一部を改正する法律案に対する質問を行いました(動画)。
なお、証券取引法の一部を改正する法律案は平成17年6月22日に可決成立し、同年6月29日に公布、完全施行は平成17年12月1日の予定になっています。
伊藤達也金融担当大臣による趣旨説明
国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
本法律案は、最近の証券市場をめぐる状況等の変化に対応して、公開買い付け制度や企業情報開示制度の信頼性を確保すると同時に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図るための措置を講ずるものであります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、公開買い付け制度の信頼性を確保する観点から、公開買い付け制度の適用対象となっていない証券取引所の立ち会い外取引のうち、相対取引に類似した取引については、買い付け後の株券等保有割合が三分の一を超える場合に公開買い付け制度を適用することとしております。
第二に、企業情報開示制度の信頼性を確保する観点から、子会社が上場会社であって、親会社等が上場していないこと等により、親会社の企業情報が開示されていない場合について、その親会社に対して情報の開示を義務づけることとしております。
第三に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図る観点から、外国会社等が本国等において適切な開示基準に基づいて英語による開示を行っている場合等には、日本語による要約等の添付を前提として、外国会社等に英語による有価証券報告書の提出を認めることとしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
田中和徳による代表質問
立ち会い外取引の導入の趣旨、公開買い付け制度の見直しのねらいについて

田中和徳君 自由民主党の田中和徳であります。
証券取引法の一部を改正する法律案に関連して、自由民主党並びに公明党を代表して質問をいたします。(拍手)
今、強く求められている我が国の経済活性化に向けて、貯蓄から投資への流れを加速させるためには、幅広い投資家の証券市場への参加を促すことが必要であり、そのためには、証券市場を投資家にとってわかりやすく魅力的なものにしなければならないことは言うまでもありません。
また、株式の持ち合いが解消されたことなどがその理由と思いますが、昨年の国内企業のMアンドA件数は、対前年比二八%増の二千二百十一件で、過去、空前の投資ブームと言われた平成二年に比較しても、三倍近くにふえております。海外では、二割近くが敵対的な案件にもなっており、もろもろの事情を考慮すれば、その対応も必要と考えます。
こうした観点から、和解が成立したようでございますが、お茶の間でも大きい話題となりましたライブドア社による東京証券取引所の立ち会い外取引を通じたニッポン放送の株式の取得をめぐる一連の事案は、我が国の証券市場のあり方に対し、多くの問題を提起しました。
現行の証券取引法では、取引所市場の外で大量に株式を取得する場合は、公開買い付け規制の適用対象となり、すべての株主に公平に売却の機会が与えられることになっています。
これに対し、取引所の立ち会い外取引で大量の株式を相対で取得するといった事案が続けば、蚊帳の外に置かれる一般の個人株主にとって、証券市場が不透明で魅力のないものに映りかねません。
ただいま伊藤金融担当大臣より趣旨説明がありましたこの証券取引法の改正法案は、こうした問題に対処しようとするものであり、諸外国におけるルールにも沿ったものと考えますが、まず大臣に、立ち会い外取引の導入の趣旨についてお伺いをいたします。
その上で、さらに、今回の法案における公開買い付け制度の見直しのねらいについても御答弁をいただきたいと思います。
非公開の親会社に関する情報を開示の趣旨について

次に、大事件に発展しました西武鉄道、コクドをめぐる問題に関連した質問をいたします。
このケースのように、上場している子会社の経営に重大な影響力を持つ親会社が存在する場合、当然に投資家はこのことを十分理解して投資する必要があります。しかしながら、その親会社が非公開会社である場合、投資家は、子会社への投資を行うに当たって重要な情報を得ることは極めて困難なことになります。
今回の改正案では、このような非公開の親会社に関する情報を開示させるとしておりますが、その趣旨について大臣よりお答えをいただきたいと思います。
英文開示について
最後に、今回の法案に盛り込まれた英文開示について質問をいたします。
英文開示については、以前からも多くの外国企業より要望がありました。それらの新しい時代の要請にこたえる意味もあり、英語での開示書類の提出を認めることで、日本の証券市場の魅力を一段と高めることができ、投資家にとっても投資対象の選択肢がふえるといった効果が期待をされます。もちろん、将来は英語以外の言語についても対象とすることが考えられます。
しかしながら、これのみで我が国の証券市場の魅力を向上させていくことは困難であり、これにあわせて、証券市場の魅力アップに向けた数々の施策を積極的かつスピーディーに講じていく必要があると考えます。この点についても大臣のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
以上、今回の改正案に関連して質問をいたしましたが、政府は、これだけでよしとするのではなく、今後とも、市場監視機能の強化等を着実に進め、証券市場に対する信頼確保に向けて不断の努力を引き続き行っていただきたいと存じます。
市場に対する国民の信頼をより確保すべく最大限の努力を
なお、市場監視機能の強化についてはさまざまな議論があることは承知しておりますが、近年、金融サービスの分野においては、貸付債権の証券化など、銀行や証券の垣根を越えた金融商品の一体化といった流れが急速に進展いたしております。また、海外の動向を見ても、英国、ドイツ等において銀行、証券、保険の統合の動きに合わせた制度整備が行われておりますが、これらを踏まえれば、我が国においても、業態横断的な視点に立った行政を確保することが必要と考えます。
民主党は、過去二回提出して廃案となった証券取引委員会設置法案を再び今国会に提出されましたが、内外の金融をめぐる環境の変化等を踏まえれば、証券行政部門を銀行行政部門や保険行政部門から切り離すことは時代の流れに逆行するものではないかと考えます。
特に民主党は、先般本院で採決した保険業法等の一部を改正する法律案に反対されましたが、その第一の理由は、金融サービス全般にわたる横断的な金融サービス法を整備すべきとの党の考え方が反対討論演説の中でも示されております。今般の民主党の法案は、証券分野のみの分離独立をさせる内容となっており、矛盾をするものではないかと私は考えます。
何とぞ、政府においては、現在の体制を着実に強化することに努め、市場に対する国民の信頼をより確保すべく最大限の努力をしていただくことを強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣伊藤達也君登壇〕
伊藤達也大臣答弁
国務大臣(伊藤達也君) 田中議員にお答えをいたします。
立ち会い外取引導入の趣旨及び公開買い付け制度の見直しのねらいについてお尋ねがありました。
立ち会い外取引は、一定の株式ポートフォリオをバスケットとして行う取引や大量株式の一括取引等、機関投資家等の多様化する取引ニーズへ対応する観点から、金融システム改革の一環として導入されたものであります。
こうした取引は、現行証券取引法上、基本的に公開買い付け規制の対象とされておりませんが、その使い方によっては取引所市場外の相対取引と類似した形態をとることが可能であり、これを放置すれば公開買い付け規制の形骸化を招くおそれがあると考えられます。
このため、今回の証券取引法改正案では、立ち会い外取引のうち、相対取引と類似した取引について、公開買い付け規制の対象とするものであります。
非公開の親会社に係る情報開示についてのお尋ねがありました。
上場会社に親会社が存在する場合、当該親会社の状況は上場会社のコーポレートガバナンス等に大きな影響を及ぼし得ることになりますが、現行制度では親会社に関する情報の開示は限られたものとなっております。
このため、今回の改正案では、上場会社の親会社が有価証券報告書提出会社でない場合に、親会社の株主、役員、財務の状況等についての開示を親会社自身に義務づけることといたしております。
証券市場の魅力の向上に向けた施策の必要性についてお尋ねがございました。
金融庁といたしましては、金融改革プログラムにおける諸施策の実施などを通じて、日本の証券市場の競争力を強化し、その国際的地位の向上を図ってまいりたいと考えております。
東京証券取引所においても、本年二月、外国株市場の活性化のため、外国株を内国株と同等の基準により上場することが可能となるよう、上場制度の見直しを行ったと承知いたしております。
今後とも、東証等とも連携しつつ、我が国証券市場の魅力の向上に努めてまいる所存です。(拍手)
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