とりあえず創ってみる

 取り敢えず,1問完成させてみましょう。最初はあまり珍しい解き筋を狙ったりせずに,スタンダードで簡単な問題を創ってみるのが良いと思います。
 キーワードは「解くように創る」です。
※盤面がズレて見えるときは,ブラウザの「等幅フォント」を等幅のものに設定してご覧ください。

用意するもの:
・紙。マス目入りの方眼ノートがあると便利でしょう。
・筆記用具。鉛筆・シャープペンシルと消しゴムがベストでしょう。
なお,パソコン上で創るときは,表計算ソフトを利用するといいかも知れませんが,私はやったことがありません。

 今回は7×7サイズを創るので,7×7の罫を組んで,左に上から1,2,……,7,上に左からA,B,……,G,と書き込んで準備完了です。

 まず「入り口」を創りましょう。最初の一手となるべき部分のことですね。今回は簡単な問題を目指しているので,「△に入る○○○と×××は交差する」で行きましょう。7×7なので,簡単な問題を創るには,7文字単語がいいんだけど・・・う〜〜ん,何がいいかな〜?(と言いながら窓の外を見る) わぁ,雪が降ってきた。積もるかなぁ。。。よし,入り口は「パウダースノー」で行こう。ついでに「テーマ」は「雪」で行こうかな。ど真ん中に入れることにしよう,という思考プロセスを経て,ヒント(1)の前半は『4に入る「パウダースノー」は」に決定しました。
 これを何と交差させるか・・・後々のことを考えると,「パ」の字を潰しておきたいなぁ。「パ」の付く言葉は少ないからね。(もちろん,他の単語と全く絡ませないのもいいんだけど,何となくこういう文字は使いたいんですよね,私は) ・・・ということで,適当に部屋を見渡して「フライパン」に決定。テーマと関係ないけど,まあいいでしょう。あ,ここで例えば「スーパーマン」とかを選んでしまうと,「パ」でも「ー」でも交差してしまって,最初には決まらなくなるので注意しましょう。
 以上,決定したところまで書いてみます。盤面の右にでもヒントをメモして,盤面を埋めます:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ      | (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ      |
3|イ      |
4|パウダースノー|
5|ン      |
6|■      |
7|       |
 +−−−−−−−+

 ここで,次に行きたいところですが,その前にやるべきことがあります。ヒント(1)とルールだけで決まるところをチェックするのです。特に,黒マスの隣接禁止や分断禁止で決まる「必ず文字が入るマス」には「・」印でも入れておくと便利でしょう。この辺りは解くときと全く同じ作業ですね:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ      | (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ      |
3|イ      |
4|パウダースノー|
5|ン■・    |
6|■・     |
7|・・     |
 +−−−−−−−+

 それでは,次に行きますか。テーマは雪だったので,「ユキダルマ」とか入れたいなぁ,ついでに「ユキウサギ」と交差したりすると楽しいなぁ。。。と思って盤面を見渡すと,Cに「ユキダルマ」を入れるとうまくいきそうです。しめしめ。
 まあこの辺りは直感や運で勝負ですね。うまくできそうになかったら思いきって始めからやり直す勇気も必要になってきます。
 そのまま『Cに入る「ユキダルマ」は・・・」としてももちろんいいんですが,今の場合「タテに入る・・・」としてもOKのようですし,そうしてもそんなに難しくはありませんから,そうしましょう。黒マス,文字マスのチェックも忘れずに:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ・■・   | (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イ・キ    |
4|パウダースノー|
5|ン■ル    |
6|■・マ    |
7|・・■・   |
 +−−−−−−−+

 次は右の方を埋めてみますか。「ノ」に注目して・・・「ノキシタ」なんてどうでしょう,何となく。あまり「交差する」系のヒントを連発すると決まりすぎてしまうので,単発で入れてしまいましょう:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ・■・   | (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イ・キ ・■・| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー|
5|ン■ル  キ |
6|■・マ  シ |
7|・・■・ タ |
 +−−−−−−−+

 さて,この先もこの調子で続けていってもいいのですが,何しろ相手は「言葉」なので,思い付きでぽんぽん埋めていくだけで完成することはまずありません。試行錯誤でやっていってもいいのですが,私はこの辺りで「先に解答を創る」ことが多いです。盤面を組んでしまってから,解き筋を考える訳ですね。もっとも,難しい問題を「狙って」創りたい場合や,もっとテーマを重視したい場合は,この方法でなく試行錯誤を続ける方がいいでしょうけど。
 また,最初から解答を創る人もいるでしょうが,それだとどうやっても入り口が難しくなってしまったり,理不尽な解き筋が必要になったりするリスクが大きいので,あまりオススメはしません。

 まず,もうひとつ7×7の盤面を準備し,今まで決まったところを書き写します。それから,ルールに違反しないように注意しながら,解き筋のことはあまり考えずに,都合のいい単語を詰め込んでいきます。テーマを重視していきたいのなら,なるべくテーマに沿った単語を埋めるようにしながら進めると良いでしょうが,今回はとにかく問題として成立させるのが目標ですから,その辺はあまり気にしないことにしましょう。

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+
1|フ・■・   |
2|ラ■ユキウサギ|
3|イ・キ ・■・|
4|パウダースノー|
5|ン■ル  キ |
6|■・マ  シ |
7|・・■・ タ |
 +−−−−−−−+

 キツそうなところから埋めていきましょう。まずGの「ギ・ー」のところは,思い付きで「ギター」が良さそうです。Eの「ウ・ス」のところもあまり当てはまる単語がなさそうですから,早いうちに片付けましょう。・・・「ウレスジ」にしましょう。5に「ル?ジキ」という並びができますが,そんな4文字単語はなさそうなので,?は■としてしまいましょう。
 と,こんなカンジです。思い付きでどんどん入れていってもいいのですが,ニコリ編「クロスワード辞典」や,Win用フリーウェアソフト「豚辞書」などを補助的に使うと効率が上がるでしょう(因みに私は MacG4Cube に VirtualPC で WinMe を載せて動かしています)。但し,これらを使う場合は,見つけた単語を使う前に「自分の知っている単語かどうか?」を考えましょう。なるべく誰でも知っているような単語を使って問題を創ることも大切です。
 ・・・まあ,そんなこんなで,以下のように埋めました:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+
1|フ・■・■・■|
2|ラ■ユキウサギ|
3|イツキ■レ■タ|
4|パウダースノー|
5|ン■ル■ジキ■|
6|■カマエ■シカ|
7|・・■フツター|
 +−−−−−−−+

 「全部埋める」とか言っておきながら2文字単語の部分を幾つか残したりしていますが,これは私なりのポイントです。2文字単語はけっこう融通が利き,終盤の「ちまちました」解き筋に使い易いので,取り敢えず埋めずに残しておくのです。もちろん,この時点で全部埋めてしまってもOKですけどね。

 さてそれではヒント創りに戻りましょう。解答図になるように,ヒントを創っていくのです。但し,入り口になってしまわないように,単調にならないように,など気を付けながらですが・・・この辺りの匙加減は,経験と試行錯誤が一番重要になってくるでしょう。
 でもまあ,取り敢えず,長めの単語を「どこかに・・・が入る。」にしてしまうのがオーソドックスな上に入り口にはなりにくいので便利だということは間違いないでしょう。今回は簡単な問題を目指しているので,思いきって「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」の4単語を「どこかに」にしてみますか:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ・■・■・■| (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イ・キ レ■タ| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー| (4) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」(が入る)
5|ン■ル ジキ■|
6|■カマエ■シ・|
7|・・■フツター|
 +−−−−−−−+

 ここで注意することは,「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」を安易に入れてしまわないようにすることです。ヒント創り用の盤面を埋めるときは,飽くまでヒントとルールだけから得られる解き筋だけで埋めなければいけません。例えば「ウレスジ」を埋めるときも,「1列には入らない,2列には入らない,・・・」とちゃんとチェックしましょう。「解くように創る」ですね。当たり前のことですが,解答を知ってしまっている分,何の疑いもなく埋めてしまいがちです。

 ところで,ここで注意をもうひとつ。上の盤面で『5の「ル?ジキ」に注目する。このような4文字単語は世の中に存在しないので,5Dは黒マスになる』という解き筋を使って5Dを黒マスにしてしまう人がけっこう見受けられます。しかし,この解き筋は,ルールでは認められていません。「○○○という単語がある/ない」という議論は,一部の例外(「ン」「ー」で始まる単語はない,など)を除けば,許されていない解き筋なのです。もちろん,問題を解く側がそれを使って解くことに関しては個人の自由ですが(けれど,なるべく使わないで欲しいです,個人的には),少なくとも問題を創るときは,この解き筋を使った問題は認められないということはよく自覚しておいてください。

 まあともかく,今回は無事に上のように埋まりました。この調子で「どこかに」を増やしていくのもいいのですが,それでは単調になってしまいそうなので,ちょっぴり変化を付けましょう。違う解き筋を考える訳です。ここでは,ルールの『「ー」「ン」で始まる言葉は入らない』とDの列に注目してみます。解答図では3D,5Dとも黒マスになっていますから,もしもヒントでうまく3Dを黒マスにしてしまうと,このルールから5Dの黒マスも決まります。3Dを黒マスにする方法は幾つかありますが,黒マスを発生させたいときは「個数」を使うのが一番スタンダードで便利でしょう。3列を見ると,運良く他のマスは黒マスか文字マスかが決定していますから,3列の黒マスの個数で行きましょう:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ・■・■・■| (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イ・キ■レ■タ| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー| (4) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」(が入る)
5|ン■ル■ジキ■| (5) 3には黒マスが2つ入る。
6|■カマエ■シ・|
7|・・■フツター|
 +−−−−−−−+

 さて,お次はどうしましょう? 1列,7列は何となく後々使えそうなので後回しにして,3Bと6Gをヒントで埋めてしまいたいところです。ここで3Bを埋めるときに注意すべきなのは,『どこかに「イツキ」が入る』としてはいけない,ということです。そうしてしまうと,このヒントから3Dの黒マスが決まってしまって,せっかく考えた上のヒント(5)が全く無駄になってしまいますからね。
 ということは,『どこかに「シカ」「ツウ」が入る』とするしかなさそうです。ところが,こうすると,これらが7に入る可能性が残ってしまいます。う〜ん,困った。まあしかし,他に気の利いたヒントが浮かばないので,取り敢えずこれらをヒントに加えておきましょう。もちろん,ヒント創り用の盤面を埋めてしまってはいけませんよ:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フ・■・■・■| (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イ・キ■レ■タ| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー| (4) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」「シカ」
5|ン■ル■ジキ■|   「ツウ」(が入る)
6|■カマエ■シ・| (5) 3には黒マスが2つ入る。
7|・・■フツター|
 +−−−−−−−+

 では,残しておいた1,7列を決めましょう。さっきから書いているように,単調な問題にしないためにもこの部分は何としても「どこかに」以外の解き筋にしたいものです。終盤に使えるちまちました解き筋で,そんなに難しくないものといえば,やはり「同じ言葉は盤面に2回以上使われない」,通称「同語禁則」のルールでしょう。(←かなり個人的な嗜好が入っています(笑))
 ここの作業は私なりの試行錯誤でうにゃうにゃやって,(1)まず7に「サ」を2つ入れて「ササ」を創る→(2)1にも2つ「サ」が入るとすれば,「同語禁則」より1Fには「サ」が入らないので,1Bと1Dが「サ」になる,というプロセスを考えて,以下のように決定しました:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フサ■サ■・■| (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イツキ■レ■タ| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー| (4) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」「シカ」
5|ン■ル■ジキ■|   「ツウ」(が入る)
6|■カマエ■シカ| (5) 3には黒マスが2つ入る。
7|ササ■フツター| (6) 1,7にはサの字が2つずつ入る。
 +−−−−−−−+

 この時点で,さっき保留にしていた「シカ」「ツウ」も入りました。「同語禁則」を使うコツは,「○の字はX個入る」型のヒントを使うことですね。もちろん,これ以外の方法もありますが,それだと最初から狙って創らないとなかなかできないでしょう。
 あとは1Fです。「ミ」を入れて「ミサ」にでもしますか。間違えても「カ」なんて入れないでくださいね(Bに「カサ」という単語は入っているので「同語禁則」違反になって,策士策に溺れます)。また,『どこかに「ミサ」が入る』なんてしてしまうと,ここから解けてしまってせっかくのヒント(6)の仕掛けが台なしなのでこれもダメです。こんなときは,「(盤面全体で)○の字がX個入る」型のヒントが一番でしょう:

  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|フサ■サ■ミ■| (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|ラ■ユキウサギ| (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|イツキ■レ■タ| (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|パウダースノー| (4) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」「シカ」
5|ン■ル■ジキ■|   「ツウ」が入る。
6|■カマエ■シカ| (5) 3には黒マスが2つ入る。
7|ササ■フツター| (6) 1,7にはサの字が2つずつ入る。
 +−−−−−−−+ (7) どこかにミの字が入る。

 これでひとまずは完成です。解き直してみて,問題がなければ本当の完成ですね。解き直すときは,独りよがりに注意しましょう。解答を知っているからと安易にぽんぽん埋めていかず,ちゃんと理詰めで埋めていかなければチェックの意味がありません。

 完成した問題はきちんと清書しておきましょう。特に,思い付き順に並べてあるヒントを並べ替えることが重要です。(1)「○○○と×××は交差する」型,(2)「○○○は△に入る」型,(3)ちまちま系,(4)「どこかに」型,の順が基本でしょう:

<完成作品>
  ABCDEFG
 +−−−−−−−+ <ヒント>
1|       | (1) 4に入る「パウダースノー」は「フライパン」と交差する。
2|       | (2) タテに入る「ユキダルマ」は「ユキウサギ」と交差する。
3|       | (3) 「ノキシタ」はタテに入る。
4|       | (4) 1,7にはサの字が2つずつ入る。
5|       | (5) 3には黒マスが2つ入る。
6|       | (6) どこかにミの字が入る。
7|       | (7) どこかに「ウレスジ」「フツター」「カマエ」「ギター」「シカ」
 +−−−−−−−+   「ツウ」が入る。

 めでたしめでたし。
 「何だ,けっこう楽勝じゃん」って思ったみなさん,是非創ってみてくださいね。あ,それと,今回の最後の方は少しマニアックだったので,理解できなくてもOKです。ご安心を。(^^;))


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